『稲盛和夫の実学ー経営と会計』稲盛和夫
どうもブッダ先生です。
今日は稲盛和夫さんの本を紹介します〜
紹介する本は・・・
実学シリーズの一つですね。
本の内容を簡単にいうと
「カリスマ経営者である稲盛和夫さんが会社経営をする上で会計といかに向き合ってきたか」が書かれていました。
著者紹介
名前:稲盛 和夫(いなもり かずお)
略歴:
1932年 鹿児島県生まれ
1959年 京都セラミック設立(現京セラ)
2010年 日本航空(JAL)の会長就任、3年で再上場させる
本を知ったきっかけ
この本を初めて知ったのはおそらく3年前くらいでしょうか。
兄に紹介してもらって知りました。
読んでみようと思っているうちに、あれよあれよと時間が過ぎていき・・・
そしてようやく昨年末にゆっくり読むことができたのです。
印象に残った点
今日は読んだ中でも印象に残った点を書いていきたいと思います。
①会計の知識ゼロからスタート
稲盛和夫さんは会社経営をする中で、ゼロから会計を学んでいきます。
ブッダ先生みたいに受験予備校に通って会計を学んだわけではないですよ。
自ら会社経営をする中で実学として学んでいったのです。
そして、
会計がわからなければ真の経営者にはなれない
とまで言っています。
それほどまでの確信を持てるまで、徹底的に会計と向き合ったみたいです。
ブッダ先生だったら、
会計はわからないから外部に丸投げしよう!
ってやってしまいそうです・・・
稲盛和夫さんは経営するにあたって手を抜かないんだなと思いました。
納得するまで考え抜く姿勢は見習わなければなりません。
②会計データはコックピットのインジケーター
稲盛さんは経営における会計の位置付けについてこんな風に言っています。
会計業界に携わるものとして誇らしいことだったので引用しようと思います。
もし、経営を飛行機の操縦に例えるならば、会計データは経営のコックピットにある計器盤にあらわれる数字に相当する。計器は経営者たる機長に、刻々と変わる機体の高度、速度、姿勢、方向を正確かつ即時に示すことができなくてはならない。そのような計器盤がなければ、今どこを飛んでいるのかわからないわけだから、まともな操縦などできるはずがない。
・・・中略・・・
会計データは現在の経営状態をシンプルにまたリアルタイムで伝えるものでなければ、経営者にとっては何の意味もないのである。
このように経営が飛行機の操縦なら、会計データはコックピットのインジケーターであり経営する上で必要不可欠なものだと言っています。
③監査現場でも活かせる「物事の本質を追究する姿勢」
稲盛さんの経営哲学に、
原理原則に則って物事の本質を追究して、人間として何が正しいかで判断する
という原則があります。
これは会計の分野においても全く同じであり、
会計上の常識とされている考え方や慣行をすぐにあてはめるのではなく、改めて何が本質であるのかを問い、会計の原理原則に立ち戻って判断しなければならない。
・・・中略・・・
「適正な会計基準」をむやみに信じるのではなく、経営の立場から「なぜそうするのか」「何がその本質なのか」ということをとくに意識して私は問いかけるようにしてきた。
とのことです。
ブッダ先生、これを読んで、経理時代に強く同様のことをよく言われていたことを思い出しました。そしてこの本質追究の姿勢は今後会計士として監査を行う上でも大事な考え方だと思いました。
④公認会計士の精神的独立性ってこういうこと
本の中に、宮村久治さんという公認会計士が登場します。
京セラが初めて上場しようとした時に、
稲盛さんが監査をお願いした公認会計士です。
この宮村さんと稲盛さんのやりとりから、公認会計士の生命線である「精神的独立性」がどういうものかイメージしやすいので引用します。
まず、監査をお願いされた宮村さんは次のように言います。
あなたがどういう経営者なのか見た上で、引き受けるかどうか決めたい。
・・・中略・・・
受けるか受けないかは、依頼される方の人物を見たうえで決めます。
さらに、実際会った時にさらに厳しいことを言われたそうです。
監査をしている会計士に、「このくらいは負けてくれよ、このくらいはいいではないか、堅いことを言うな」というようなことを言う経営者がいます。私はそういう方とは一切お付き合いしたくありません。経営者はフェアでなければいけません。正しいことを正しくやれる経営者でなければ、私は監査の依頼をお受けしません。よろしいですか」
これに対して稲盛さんは、
結構です。私の生き方がそうなんですから。願ってもないことです。
と返します。すると次のように返ってきたそうです。
みんなそう言うんです。今は会社の調子が良いからそう言われるんです。経営がおかしくなって調子が悪くなってくると、何とかせいと必ず言うようになります。人間というのは、調子がいい時にはみんなフェアで、文句を言いません。ところが悪い時にもフェアであるかどうか。それを私が見抜かなければいかんのです。
この宮村さんの第三者からの圧力や誘惑に屈服することのない姿勢こそ、受験時代に耳にタコができるくらい勉強した「精神的独立性」なんだなと思いました。
まとめ
稲盛さんは経営モラルが高い故に、
経営の一部である会計についてもモラルが高い人物です。
そして稲盛さんも宮村さんも二人とも頑固だなと思いました。
最近知ったのですがこの二人、なんとお墓が隣同士なんだとか。
仲良すぎですよね。
・・・
・・・
そしていつの日かブッダ先生も、
「お墓隣でもいいよ」っていう盟友を見つけるぞ!……怖
ではまた!