日生、日産人事案に反対
どうも、ブッダ先生です。
ブッダ先生が独自の視点で物申す、
「ブッダ先生の世相斬り!」のコーナーがやってまいりました!
では、早速参りましょう〜
注目した記事
「日生、日産人事案に反対」という見出し。
この記事を一言で要約すれば、
「日本生命が、日産を始めとする投資先の人事案に反対したことを表明した」
とのことです。
なぜ、日本生命は他社の人事案に首を突っ込めるのでしょうか?
日本生命は特別な会社なのでしょうか?
反対したってどういうこと?
日本生命は民間で国内最大の機関投資家
機関投資家というのは一般的に規模が大きく長期的な投資をする法人投資家のことを指します。日本生命は民間の中では国内最大の機関投資家だそうですね。
ちなみに公的機関も含めた場合、日本国内最大の、いや世界最大の機関投資家はGPIFですね。我々が積立ている年金を運用している機関です。
機関投資家ということは投資先の株式を保有していることになります。つまり投資先の株主なのです。
すなわち、
「機関投資家→投資先の株主である→株主の権利を有する」
ということになります。
この、株主の権利にはどのようなものがあるのでしょうか?
株主の権利の一つ、「議決権」
議決権とは株主総会で賛成または反対する権利のことを言います。
会社の重要な意思決定は株主総会の多数決で行われますから、
決議に自らの意思を反映する重要な権利なのです。
よって株主総会は株主が会社経営に参加する唯一の機会ともいえるのです。
役員人事は株主総会マター
取締役をはじめとする役員選任は、株主総会の普通決議(過半数の賛成)が必要です。
なぜでしょう?
これは株式会社においては、会社経営は経営のプロである取締役等によって行われ、株主は会社経営の素人なのでを直接関与しません(所有と経営の分離といいます)。
ここで、会社の最終的な所有者である株主にとって、取締役が誰になるかということは非常に重要ですよね。株主にとって取締役人事は重大な関心事であり重大な利害があるのです。にも関わらず、株主総会の議案を作成するのは取締役自身なのです。だから、不適切な取締役選任案が可決されることは株主にとって好ましくなく、取締役人事に株主の意思を反映させる必要があるのです。以上から取締役人事は株主総会マターとされているのです。
日産人事案に反対
日本生命は、日産やスルガ銀行の人事案に反対したと記事にはあります。
すなわち、取締役を選任する株主総会において反対票を投じたということです。
日産やスルガ銀行は不祥事がありましたね。これらの不祥事は取締役が関与していました。そんな不祥事を起こすような取締役、または彼らが作成した取締役人事案に、株主としての権利を行使し反対票を投じたというわけです。
株主の権利は議決権だけではない
株主の権利のうちもっとも代表的な権利は議決権です。
しかし他にも役員人事に関する様々な権利があります。
議題提案権
会社が開催する株主総会(定時株主総会)において、決議する議題を提案できる権利です。すなわち、「今度の株主総会の議題に取締役の選任を追加してください!」という権利です。
議案提案権
定時株主総会の当日において、特定の議題の中での具体案を提案する権利。会社が決めた議題に関して具体案を提案する権利です。これは議題自体を提案する議題提案権とは異なります。すなわち、「今日の株主総会、議題は取締役選任かあ、よしAさんを取締役にするのはどうですか!」という権利です。
議案要領通知請求権
議案提案権は株主総会当日の権利でしたね。それとは少し異なります。
株主総会に先立ち株主には、開催日時、場所、議題が記載された招集通知が届けられるのですが、その招集通知に議題に関する具体的な案を記載することを請求する権利です。すなわち、「株主総会の招集通知にAさんを取締役に選任するという私の案を記載してください!」という権利です。
株主総会招集請求権、株主総会招集権
上記3つの権利は、会社が開催する株主総会における権利でした。
しかし、この権利は株主が自ら株主総会の招集を会社に対して請求する権利、自ら株主総会を招集する権利です。これにより開催される株主総会は定時株主総会ではなく臨時株主総会と言われます。
すなわち、会社に対して「臨時株主総会を招集してください!」という権利。会社がそれに応じない場合、「あなた達がしないなら、もう私が臨時株主総会を招集します!」ができる権利です。
これらは強力な権利ですよね。なのでこの権利を行使できるのは総議決権の3%以上を保有する株主に限定されます。
まとめ
今回は、日本生命の議決権行使の記事を題材に、株主が持つ権利についてきにしました。今回取り上げた株主の権利はほんの一部です。他にも様々な権利があります。
取締役人事関連では、解任の訴えを裁判所に提起できる権利があったり、取締役人事から離れれば、剰余金分配請求権(配当を受ける権利)があったりとか多々あります。
ブッダ先生も、「そんな取締役人事はけしからん!」と首を突っ込み世直しをしたいものです。