『会計士は見た!』前川修満

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どうも、ブッダ先生です。

ブッダ先生の読書マラソンシリーズの第二弾となります!

 

さて、今日紹介する本は『会計士は見た!』です。

 

 この本にあったきっかけ

たしかSNSだったと思います。

会計士と思われるおじさんが覗いているインパクトのある表紙

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ブッダ先生としては「会計士が何を見たのか」その内容が気になるし、

「経験豊富な会計士が企業を見るときの視点」を知りたいと思いました。

 

ちなみに『やっぱり会計士は見た!』という二作目もすでに発行されているようです。

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本の内容

以下、本の帯に書いてある内容を引用しました。

第1章 ソニー 

赤字決算にもかかわらず、なぜ多額の法人税を納めているのか?

第2章 大塚家具

トップの座を巡る父と娘の対立は、実は日本型経営と米国型経営の対立だった

第3章 日産、コジマ

コストダウンでは絶対に削ってはいけない数字がある

第4章 キーエンス

企業内平均年収1600万超。「工場がない製造業」はなぜ儲かるのか?

第5章 スカイマーク

倒産する企業はまず決算書のここに赤信号がともる

第6章 東芝

監査が見逃した「ソフトウェア開発の数字」に、異常事態がはっきり現れていた

この視点がすごい!(たくさんあるから一つだけ)

著者は大塚家具の過去の業績推移を分析して、父(勝久氏)の経営哲学までたどり着きます。その過程を簡単に説明します。

業績が悪化していることをつかむ

著者は大塚家具の過去12年分の決算書を取り寄せて、

損益計算書の主要項目(売上高、営業利益、当期純利益など)を各年度で比較しました。そこで、大塚家具の業績が悪化していることを把握しました。

ちなみに、これぐらいブッダ先生もできるよ!

減らない従業員数とパート社員の少なさに違和感

続いて著者は「従業員数が気になった」と独自の嗅覚を発揮して、

業績の推移データの横に従業員数の推移のデータを並べたのです。

(何で気になったの、ブッダ先生は気にならなかったよ…)

そして不思議に思います。

売上高が減少し、業績が悪化している間も、従業員が減っていない。普通、売上高が減少しているのであれば、その対抗策として従業員数は減らすものです。しかし、大塚家具では、勝久氏が最初に退任するまでは、従業員は減らないどころか、かえって微増していたのです。

と、減らない従業員数に違和感を感じます。

そしてもう一つ気になります。

大塚家具では、パートは正社員数の1割未満しかいないということになります…

(中略)

小売業の経営では、いかにパートを活用するかが経営の大きなカギを握っているのです。ですから大塚家具のようにほとんどが正社員で運営されている会社などめったにないのです。

と、同業他社との比較や業界の常識から、パート比率の低さに違和感を覚えます。

そしてこれらの定量的なデータから著者は「見た!」のです。

これは勝久氏が、たとえ業績が悪化したとしても、その対抗策として従業員の解雇に踏み切ることは嫌う人物だということを示しています。

そして、

従業員を消耗品扱いするようないわゆる「ブラック企業」の経営者とは真逆の、非常に従業員思いの人物だと言えるでしょう。

と、勝久氏の人物像に迫ります。

 

・・・

・・・

ブッダ先生は、業績が悪化しているな〜程度にしか思わなかっただろうな…

会計士になるからには身に付けたい「分析力」

上記は、「会計士が見た!」のほんの一例にすぎませんが、

データとデータを関連付けてその背後にあるストーリーや経営者の人物像まで分析するのが会計士の分析だと思います。

そんな分析ができる会計士になりたいものです。

 

どうやったらなれるのでしょうか…

きっとそのヒントは「違和感」にあると思います。

違和感を感じるためにはどうすればいいのか

この本を読んで強く思ったのは、違和感は比較から生まれるということです。

何の比較から生まれるのか?

 

それは、「客観的データ」「規範」の比較です。

この比較で生じた両者の差異こそが「違和感」の正体なのではないでしょうか。

 

客観的データは財務諸表のデータや事実のことです。

では、「規範」とは何でしょうか?

 

ヒントはこの本に隠されていました。

著者が違和感を持つ場面には次のような用語が頻繁に使用されていました。

「普通」「多くの場合」「たいていは」「理論的には」「平均的には」

 

要は知識だと思います。

こういった知識が感覚として備わっているからこそ、

現実に対して違和感を持つことができるのだと思います。

 

そしてその違和感を紐解くことで企業の「本当の姿」に迫れるのだと思います。

若手経理に向けたセミナー

そう考えると、会計って奥が深いと思わされてしまいます。

話は変わりますが、ブッダ先生が働くことになる監査法人では、

CSR活動の一環として企業の若手経理人材に対するセミナーを行っているようです。

セミナーの参加費を福島に回すことで復興支援

・地元の経理人材育成に貢献

の2つの意味があるのだそうです。

 

セミナー講師監査法人内の若手スタッフが担当するそうで、

これどうしてもやりたいんですよね。

 

・人前で話す度胸がつく

わかりやすく説明する練習になる

経理マンブッダ先生だからこそ提供できるものがあるはず

・若手の経理人材(将来の幹部候補?)とつながりができる

・自分も得して社会貢献にもなる

 

いいとこ尽くしなのですよ。

監査法人の中で最も適任な人材はブッダ先生なのですよ!

 

コンテンツは「会計士は見た!」を使いたい…

でも多分勝手には使えそうにないので無理かもしれません。

 

何れにしても、会計データからいろんなことが読み取れるんだということから、

経理という仕事に面白さを感じて欲しいし、誇りを持ってもらいたいです!

まとめ

企業の「表の顔」ではなく、「本当の姿」を見ようとする会計士、

企業が歩んできた「歴史や独自のストーリー」にまで

思いをはせる会計士になるぞ!